どうして歯ぎしりをするの?
一般的に多いのは、噛み合わせ異常やストレスなどが挙げられます。
寝ている間に歯ぎしりをしていると、無意識のため、自分の体重以上の力がかかると言われています。歯ぎしりの原因には以下のものが考えられます。
・噛合わせのずれ
・過度のストレス
・過剰な飲酒
・過剰な喫煙
・逆流性食道炎
・食いしばり癖
歯ぎしりはさまざまな悪影響をもたらします。大きな力が歯にかかるため、歯がすり減ってきたり、被せものが割れたり外れたりすることがあります。また知覚過敏や、肩こり、頭痛、めまいの原因になることもあります。
歯ぎしりの治療としては、噛合わせに異常がある場合、正しい噛合わせにしてあげたり、マウスピースを就寝中に使用して、歯や顎への負担を和らげることができます。また正しい生活習慣を守り、十分な休息を取ることも効果的です。普段の生活で食いしばる癖のある方は、寝ている間も食いしばりや歯ぎしりをしている傾向があります。特にパソコンの操作をしているときや、力が必要な動作をしているときに食いしばることが多いです。できるだけ普段から食いしばらないように意識してみましょう。
歯周病が全身に影響する?<お口のQ&A>
はい、全身の健康に影響を及ぼします。
30歳以上の80%、つまり5人に4人は歯周病と言われています。歯周病と聞くとお口の中だけの病気と思われがちですが、全身の健康にも大きく影響を及ぼします。
歯周病が影響を及ぼす病気には、以下のものが挙げられます。
- 脳梗塞
歯周病菌は血管を通じて全身に回っていきます。歯周病菌の出す毒素には、血栓を作る働きがあり、歯周病の人はそうでない人と比べて、2.8倍脳梗塞になりやすいと言われています。
- 心筋梗塞
歯周病菌は動脈硬化を促進させると言われており、結果として心筋梗塞や、狭心症を引き起こすリスクが高くなります。
- 低体重児早産
妊娠中の方に歯周病がある場合、歯周病菌が胎盤を通じて胎児にも影響を与え、早産や、低体重児の危険が高くなります。
- 糖尿病
歯周病の方は糖尿病の数値が悪化しやすいことが、研究によって証明されています。逆に、歯周病治療したことによって、糖尿病の数値が改善されることも明らかになっています。
- 誤嚥性肺炎
歯周病菌が誤嚥などによって気管に入ると、肺炎を引き起こすことがわかっています。
- アルツハイマー型認知症
歯周病によって歯の本数がなくなると、脳への刺激が少なくなり、萎縮が進む危険性があります。そのためアルツハイマー型認知症を引き起こす確率が高くなります。
歯周病は全身の健康に大きく影響を及ぼすため、予防しなければなりません。できるだけ毎食後歯磨きをしたり、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けましょう。
インプラントってなんですか?<お口のQ&A>
歯の無い部位にチタン製のネジを埋め込み、人工の歯をはめ込む治療方法です。
何らかの原因により抜歯した場合、その部分の治療法のひとつにインプラントがあります。人工歯根(歯の根)を顎骨の中に埋め込んで、その上に人工歯を立てる治療方法です。インプラントはインプラント体と呼ばれる歯根部、アバットメントと呼ばれる支台部、上部構造である人工歯の3つの部品から成り立っています。インプラント体は体に馴染みやすい材料であるチタンやチタン合金でできています。人工歯にはセラミック(陶材)やレジン(プラスチック)、金属の被せものなどの種類から選ぶことができます。
インプラント治療のメリットには以下のものがあります。
・自然な噛み心地を味わえる
・他の歯に負担をかけない
・審美性に優れている
・違和感が少ない
一方、インプラント治療のデメリットには以下のものがあります。
・保険が効かないため、治療費が高額になる
・治療期間が長い(インプラント体が顎骨と接着するのを待つため、3ヶ月から6ヶ月ほどの期間が必要)
・適応外の方もいる(糖尿病の方、顎骨量が少ない方などは、治療が難しいこともある)
・手術を受ける必要がある
・定期メンテナンスが必要
治療を希望される場合は、まず歯科医師と相談してから決めましょう。
永久歯が生えてくるのは何歳からですか?<お口のQ&A>
個人差はありますが、だいたい6歳前後から永久歯が生えてきます。
個人差はありますが、永久歯はだいたい6歳前後から生え始め、12~13歳頃に生えそろいます。乳歯は全部で20本、永久歯は28本、親知らずがある場合32本あります。一般的に6~7歳ごろに、下の6歳臼歯(奥歯の乳歯のさらに奥に生えてくる永久歯)と下の前歯が生えてきます。次に上の6歳臼歯、上の前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯の順番で生えてきます。しかし、生えてくる順番にも個人差があるため、必ずしも同じ順番で生えてくるとは限りません。
親知らず(智歯、第三臼歯とも呼ばれる)は、18歳以降に生えてくると言われていますが、個人差があります。親知らずが斜めや横向きに生えていると、一生顎の中に埋まったままの方もいますし、もともと親知らずがない方もいます。
乳歯がなかなか抜けなかったり、抜けたとしても一定期間が過ぎて永久歯が生えてこない場合は、一度歯科医院を受診しましょう。レントゲンを撮ってもらい後続の永久歯があるかどうか、またどのような向きになっているかを確認することができます。必要な場合は、矯正歯科を紹介されることもあります。
顎関節症ってなんですか?<お口のQ&A>
何かの原因により顎の関節に痛みや、口が開かなくなったりすることです。
顎関節症は特に女性がなることが多く、ある調査によると程度の差はあるものの、女性の2人に1人は顎関節症になった経験があると言われています。
顎関節の症状は、主に3つあります。
- 口を開けたときに痛みがある
顎関節にずれが生じていたり、周りの筋肉や靭帯に炎症が起きていると、口を開けたときに痛みが生じることがあります。 - 口が開かない
通常、口を開けたとき指3本分ほど開きます。しかし顎関節症になると口が開けづらくなり、症状がひどい場合は指1本分しか開かないこともあります。 - 口を開けたときにカクっと音がする
顎関節のずれに伴い、口を開けると「カクッ」や、「ジャリッ」という音がすることがあります。
顎関節症はそれ以外にも、肩こりや腰痛、めまいや耳鳴りなど、全身にも影響を及ぼす危険もあります。
顎関節症の原因はいくつかありますが、一般的な原因には、上下の歯の噛合わせがずれていたり、ストレス、また歯ぎしりなどが挙げられます。治療法としては、噛合わせを正常な位置に戻したり、マウスピースをつけるなどの方法があります。重症の場合は、手術をすることもあります。
歯の生える時期を知りたいです。<お口のQ&A>
乳歯が生え始めるのは、生後6ヶ月頃からです。
しかし個人差があるため、3ヶ月頃から生えてくる子もいれば、9ヶ月頃になって生えてくる子もいます。たいていの場合、下の前歯から生えてくることが多いです。しかし、上の前歯から生えてくることもあります。始めは前歯、徐々に奥歯が生えてきて、2歳から2歳半ごろにすべての歯が生えそろいます。
乳歯が生えてくるときの兆候としては、以下のものがあります。
- ・よだれが多くなる
- ・物を噛むようになる
- ・夜泣きが多くなる
- ・歯茎のあたりが膨らんでくる
乳歯が生えてくるとき、赤ちゃんは違和感を覚えるため、よく泣いたり、不機嫌になったりします。
生まれてから1ヶ月以内に歯が生えてくる赤ちゃんもいます。これを先天性歯と言います。歯科医院を受診したとしても、基本的に経過観察になるケースがほとんどです。しかし歯があることによって授乳のときに舌を傷つけたりすることもあります。どのように対処すべきか、歯科医師に相談しましょう。逆に、生後1歳3ヶ月を過ぎても歯が生えてこないようであれば、先天性欠如(生まれつき歯がない)や、歯茎が固くて出てこれないなどの可能性があります。一度歯科医院で見てもらいましょう。
キシリトールの効果ってなんですか?<お口のQ&A>
キシリトールには、虫歯の原因を作り出さない効果があります。
キシリトールとは糖アルコールの一種で、天然の代用甘味料です。野菜や果物、例えばいちごやバナナなどの中にもキシリトールは含まれています。
キシリトールに虫歯の予防効果があると言われている理由のひとつは、「虫歯の原因である酸が作られないから」です。虫歯菌であるミュータンス菌は、糖分を分解して酸を作りだします。この酸によって歯が徐々に溶けると虫歯になります。しかしキシリトールの場合、ミュータンス菌によって分解されないため、酸が作られません。そのため虫歯の原因にならないのです。またキシリトールはミュータンス菌の動きを弱める働きもあります。ミュータンス菌はキシリトールを分解できないものの代謝しようとするため、徐々に働きが弱ると言われています。
しかし一般のキシリトールガムやあめには。100%のキシリトールが入っているものは少なく、たいていの場合その他の甘味料が含まれています。また、キシリトールガムなどを食べていれば虫歯にならないと勘違いされる方も多いですが、キシリトールは虫歯の原因を作り出さないだけであって、虫歯を完全に予防するものではありません。必ず食後は歯磨きをしましょう。
フロスは必要ですか?<お口のQ&A>
歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れを落とせないため、フロスの使用が必要です。
実は丁寧に磨いているつもりでも、歯ブラシだけでは全体の60%程度しか汚れが落とせないと言われています。40%も磨き残しがあるのです。その磨き残しはたいていの場合、歯と歯の間にあります。歯ブラシだけでは歯と歯の細かい隙間まで磨くことができません。そのため、デンタルフロスで歯と歯の間をキレイにお掃除する必要があるのです。
歯と歯の間の汚れを放置していると、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。歯と歯の間にプラーク(細菌の塊)が付着していると、その中の細菌から出される酸によって虫歯になりやすくなります。またそのプラーク中の細菌によって歯茎や、歯を支える周りの組織に炎症が起きます。これが歯周病の始まりです。虫歯と歯周病を予防するには、毎日デンタルフロスを使うことは欠かせません。
デンタルフロスを使うことはその他にも多くのメリットがあります。例えば、歯と歯の間の虫歯を見つけやすくします。デンタルフロスを使ったときに、引っかかる場合虫歯になっている可能性があります。歯科医院で見てもらいましょう。また学童期の子供のお口の中は、乳歯と永久歯が混在しています。そのため歯と歯の間に食べ物が挟まりやすいです。子供にもデンタルフロスを使う習慣をつけさせましょう。
歯磨き剤は使用した方がいい?<お口のQ&A>
歯磨き剤の中に虫歯や歯周病を予防する成分が含まれているので、使用しましょう。
歯磨き剤には清掃剤が含まれており、歯の表面を傷つけずにプラーク(歯垢)をキレイに落とす役割があります。そしてフッ化物(フッ素)が配合されているものを選ぶなら、毎日虫歯予防をすることができます。フッ化物は歯を強くするのに役立ちます。お口の中に常在しているミュータンス菌(虫歯菌)は、食べ物や飲み物に含まれる糖分をエサにして酸を作り出します。この酸によって徐々にエナメル質が溶けることが、虫歯の始まりです。フッ化物はエナメル質を強化する働きがあります。そのためエナメル質が酸にさらされても、溶けにくくします。加えて、溶け始めているエナメル質を修復し、強い状態に戻すのを助けてくれます。他にも、歯周病予防の成分が入った歯磨き剤もあります。
しかし、歯磨き剤をたっぷりつけて歯を磨いてしまうと、その中に含まれている発泡剤によって口の中が泡だらけになってしまい、長く磨くのが難しくなります。またその中に含まれる香料によって、本当はまだ磨き残しがあるのにスッキリとした気分になってしまうということもあります。歯磨き剤を使用する場合は、歯ブラシの1/3~1/2程度の使用にしましょう。
乳歯の虫歯は、永久歯に影響があるの?<お口のQ&A>
乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす影響は、主に4つあります。
1.永久歯の虫歯発生リスクが上がる
乳歯が生えている時期に虫歯があるお口の中と、虫歯がないお口とでは、虫歯菌の数に大きな差があります。虫歯菌が多ければ多いほど、虫歯になるリスクは高くなります。例えば、乳歯にある虫歯が隣に生えてきた永久歯に接すると、永久歯まで虫歯になる確率が高まります。
2.永久歯の歯並びに影響を与える
乳歯の虫歯が大きい場合、その歯を抜かなければならないことがあります。本来抜ける時期よりも早くに乳歯がなくなると、後続の永久歯が生えてくる十分なスペースを確保できなくなります。そうすると後続の永久歯がずれて生えてくるため、結果として永久歯の歯並びが悪くなってしまいます。
3.顔の顎骨の発達に影響を与える
乳歯に大きな虫歯があると、痛みを避けるため無意識のうちに痛くない側の歯で噛むようになります。そうするとお口の周りの筋肉の発達、また顎骨が偏って発達する原因になります。
4.栄養状態の悪化
乳歯に大きな虫歯があると、食べ物をうまく噛むことができません。ちゃんと食べ物を咀嚼できないと、栄養分を体があまり吸収できなくなり、結果として栄養状態が悪化します。
乳歯の虫歯は、永久歯に大きな影響を与えます。必ず夜は保護者の方が仕上げ磨きをしたり、定期的に歯科医院でフッ化物塗布をしてもらうなどして、虫歯を予防していきましょう。